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プログラミング未経験の内科医が、AIに「秘書」を任せてみた【Claude Code】

内科医、AIに秘書を任せてみた(プログラミング未経験でもOK・月3千円から) 医師の働き方とお金

朝、スマホを開くと「今日の予定・重要メール・締切が近いタスク」が3行にまとまって届いている。受信箱は仕分け済みで、返信が必要なメールには下書きまで付いている。先月のカード明細は費目別に集計されて、家計レポートになっている。

これ、全部AIがやっています。人は雇っていません。

私はプログラミング未経験の内科医です。そんな私でも、「Claude Code」というAIツールに日本語で指示を書くだけで、自分専用のAI秘書が作れました。この記事では、1か月運用してみた実態と費用、そして医師という職業柄いちばん大事な「安全のための絶対ルール」を、正直に書きます。

結論から言うと——

  • プログラミング未経験でも作れます(書いたのはコードではなく、日本語の指示書です)
  • 費用は月20ドル(約3,000円)のプランから始められます(2026年7月時点)
  • ただし、患者情報は一切入れない。これが大前提です

AI秘書が毎日やってくれていること(運用実績)

まず「何ができるのか」を具体的に。現在、私のAI秘書が実際に回している業務です。

朝のブリーフィング

毎朝決まった時間に、Googleカレンダーの今日・明日の予定、Gmailの重要メール、締切が近いタスクを要約して報告してくれます。人間の秘書に「今日の予定は?」と聞くのと同じことが、起きた瞬間に終わっています。

私は朝が弱いので脳が動いていない朝ほど、これのありがたみが沁みます。「今日、何があるんだっけ」を考えるコストがゼロになるのは、想像以上に効きます。

メールの仕分けと、返信の下書き

受信メールを「要返信・情報・広告」に仕分けて、要返信のものには返信文の下書きを作ってくれます。

ここで大事なのは、送信は必ず自分がすること。AIは下書きまで、と役割を線引きしています(理由は後述の「絶対ルール」で)。それでも、返信のハードルは「ゼロから書く」から「下書きを直す」に下がるので、返信の滞留が明らかに減りました。

勤務表の画像を、カレンダーに自動登録

医師なら共感してもらえると思うのですが、勤務表って紙やPDF、画像で配られがちですよね。当直表、外来担当表、待機表……。

私のAI秘書は、勤務表の画像を渡すと自分の名前の担当日を読み取って、Googleカレンダーに予定として登録してくれます。手作業だと毎月10分×表の枚数かかっていた転記が、渡すだけになりました。地味ですが、毎月確実に返ってくる時短です。

家計簿の全自動化

クレジットカードの利用明細・銀行の入出金をAIが集計して、月次の家計レポート(収入・費目別支出・貯蓄率・先月比)を作ってくれます。

私は家計簿アプリを何度か挫折しているのですが、「自分で入力・分類する」工程が消えると続くどころか、何もしなくても毎月レポートが出てきます。「今月外食にいくら使った?」と聞けば集計して答えてくれる状態です。

年単位の締切管理

車検、資格の更新、学会の単位、ふるさと納税の枠——「今すぐじゃないけど忘れたら痛い」締切を台帳にして、期限から逆算してアラートを出してくれます。この手の締切はカレンダーにもTodoアプリにも乗りにくく、頭の片隅に住み続けて脳のメモリを食うので、外部化できた恩恵は大きいです。

仕組みは意外とシンプル。「Claude Code」+Google連携

「どうせエンジニアしか無理でしょ」と思われた方へ。仕組みを簡単に説明します。

Claude Codeは、AIのClaude(ChatGPTの競合と思ってください)が、パソコンの中でファイルを読み書きしたり、GmailやGoogleカレンダーと連携して作業したりできるツールです。本来は開発者向けのツールですが、実態は「日本語で指示すると、手を動かしてくれるAI」です。

私がやったことは、プログラミングではありません。

  • 「毎朝、予定とメールとタスクをまとめて報告して」
  • 「メールはこういう基準で仕分けて。送信は絶対にしないで、下書きまでにして」
  • 「カード明細が来たら、この費目分類で家計簿に追記して」

こういう日本語の指示書(ルールブック)を書いて、少しずつ育てただけです。イメージとしては、プログラミングというより「新人秘書への業務マニュアル作り」が近い。マニュアルを書けば書くほど、任せられる仕事が増えていきます。

費用は、Claudeの有料プラン(月20ドル≒約3,000円、2026年7月時点)から始められます。私も有料版を使っています。人間の秘書の時給1時間分以下で、24時間文句を言わない秘書が付くと思うと、費用対効果は説明不要だと思います。

医師がAIを使うときの絶対ルール

ここがこの記事でいちばん書きたかったところです。医師がAIを使う話をすると、必ず「患者情報は大丈夫なの?」という(正しい)ツッコミが来ます。私のルールは明確です。

ルール1: 患者情報は一切入れない

私のAI秘書が扱っているのは、私自身の生活と個人事務だけです。予定、メール、家計、勤務表の「自分の担当日」。患者さんの情報は、氏名・ID・病歴・検査値はもちろん、「特定の誰かを連想させる情報」も含めて一切入れていません。院内の電子カルテや業務システムとも、一切つながっていません。

「匿名化すればいいのでは?」という考え方もありますが、私は私生活の自動化と診療情報の間に、最初から壁を置く設計にしています。境界線の判断を毎回やるより、「そもそも入れない」が一番安全だからです。

ルール2: 送信・削除・お金は、人間が最終承認

AIは間違えます。1か月使った実感として、賢いけれど間違えます。だから取り返しのつかない操作は、AIには渡さない

  • メール送信 → AIは下書きまで。送信ボタンは私が押す
  • ファイル削除 → 必ず私の承認を取ってから
  • お金が動くこと → AIは集計と情報整理まで

逆に言うと、間違えてもすぐ直せる操作(予定の登録、メモの追記、集計)はどんどん任せる。「可逆な仕事は任せ、不可逆な判断は残す」が、AIとの付き合い方の core だと思っています。

ルール3: 職場のルールを確認する

生成AIの扱いは施設ごとにルールが違います(策定中のところも多いはず)。私のAI秘書は職場の情報を扱っていませんが、業務でAIを使いたい場合は、院内の規定確認が先です。このあたりの「医師と生成AIの境界線」は、需要がありそうなので今後別記事で詳しく書いてみようかと思っています。

正直なデメリットも書いておく

  • 初期設定はそれなりに大変: 「秘書が回っている状態」までは、休日を数回使いました。1日でできるとは言いません。ただし一度作れば、あとは指示書を足すだけです。 都度壁打ちしながら構築していけるので、まとまった時間がなくても大丈夫です。
  • たまに間違える: この1か月でも、メールの重要度判定を外したり、集計の分類を間違えたりはありました。「新人秘書」だと思って、間違いを見つけたらマニュアル(指示書)を直す。すると同じ間違いはしなくなります
  • : 便利になると「あれも自動化できるのでは」と際限なく凝りだします。私は凝った結果として楽しんでいますが、時間最適化のはずが趣味になっている自覚はあります、、。あとは際限なくいろいろさせようとするとトークンを食うのでそこも注意ポイントです。

何から始めればいいか(3ステップ)

いきなり秘書システムを作る必要はありません。イメージ的にはいままで個別にAIにお願いしていたいろいろをまとめて処理してくれるように変更していく感じです。おすすめの段階はこうです。

  • ステップ1(無料): ChatGPTやClaudeのチャットに、秘書役をやらせてみる。「このメールの返信文を書いて」「この予定リストを整理して」。まず“指示を出す感覚”に慣れる
  • ステップ2(月20ドル): Claude Codeを導入して、ファイルやGoogleサービスと連携させる。セットアップ手順は別記事で画像付きで解説予定です
  • ステップ3: 自分がいちばん嫌いな雑務をひとつだけ選んで、それだけ自動化する。私のおすすめは家計簿か、朝のブリーフィング。ひとつ回ると、あとは勝手に増えていきます

よくある質問

Q. プログラミング経験ゼロでも本当にできますか?

私ができたので、できます。必要なのはコードを書く力ではなく、「新人に業務を説明できる力」です。指示が曖昧だと変な動きをする、というのも新人教育と同じです。医師は指示出しとマニュアル整備に慣れている職業なので、実はかなり向いていると思います。

Q. 患者情報を扱えないなら、医師がAIを使う意味はありますか?

あります。むしろ診療「以外」の雑務こそが、医師の時間を削っているからです。メール、日程調整、家計、書類、締切管理。ここをAIに寄せると、診療と勉強と睡眠に使える時間が返ってきます。診療にAIを使う話と、生活を自動化する話は分けて考えるのがコツです。

Q. 情報漏えいが怖いのですが

二段構えで考えています。まず、有料プランの設定で入力内容をAIの学習に使わせない設定にできます(2026年7月時点の仕様。各社の規約はご自身でも確認を)。その上で、「漏れたら致命的な情報はそもそも入れない」。患者情報はもちろん、各種パスワードやカード番号も私はAIに渡していません。設定を信じつつ、設計で守る。この順番です。

Q. スマホだけでもできますか?

チャットでの「秘書ごっこ」(ステップ1)はスマホで完結します。Claude Codeを使った自動化はパソコンが必要です。ただ、一度組んでしまえば、報告を受けたり指示を出したりする日常運用はスマホからでも回せます。

まとめ

  • プログラミング未経験の内科医でも、日本語の指示書だけでAI秘書は作れる
  • 任せているのは、ブリーフィング・メール仕分け・勤務表転記・家計簿・締切管理
  • 費用は月20ドルから。人間の秘書の時給以下
  • 患者情報は一切入れない。不可逆な操作は人間が承認。この設計が医師がAIを使う大前提
  • まずは「いちばん嫌いな雑務ひとつ」から

最後にひとつ告白すると、この記事の下書きを書いたのも、そのAI秘書です(もちろん、最終的に手を入れて事実確認をしたのは私です)。ここまで来ると、秘書というより相棒に近いのかもしれません。

→ 次回: Claude Codeの始め方(非エンジニア向け・画像つき)

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